受託研究(開発)とは、自社以外の企業における課題解決のために行われる研究です。研究に生じる費用は、受託研究を依頼する企業側が負担します。受託研究では受託先の企業が主体となり、依頼した企業は結果と合成物を提供されます。また、受託研究で得られた成果や知的財産は、受託先の企業に帰属することが一般的です。
一方、共同研究では2社が協力して研究を実施します。成果や知的財産も、両社で共有されがちです。
受託製造とは、企画した商品の製造を別企業に任せることです。自社では設備や人的リソースなどの問題で製造が難しくても、受託製造なら自社の負担を抑えて商品を製造できます。受託製造には、ODMとOEMがあります。2つの違いを確認しましょう。
ODMでは設計から製造まで、OEMでは製造のみを請け負います。ODMの方が広範囲を任せられるため、受託元の企業はブランディングや販促活動などに注力可能です。一方、OEMは製造のみを任せるため、設計を依頼する分の経費を節約できます。
研究から合成、製造まで受託可能な企業について紹介します。
ナード研究所の受託サービスは、打ち合わせの段階から研究員が対応します。当初から研究員が絡むため、課題を速やかに把握し、スピーディーな研究開発が可能です。過去には、スケールアップのため大量に使える原料を見つけてほしい、合成ルートを最適化して品質を向上させたい、などの依頼に応えています。
2020年5月時点で、東京化成工業には5つの研究所があります。多彩な設備を駆使し、さまざまな研究分野に対応できます。過去には、治験用原薬・中間体・原薬、機能性材料、電子材料、有機中間体などの合成に対応しました。また、合成スケールは、ラボレベルから量産レベルにまで調整できます。
神戸天然物化学は、バイオテクノロジー関連の受託研究・製造が得意です。創薬研究の支援・対照薬・安定同位体標識化合物などの医薬品開発関連化合物や、ペプチド・核などの合成が可能です。
ヨーユーラボは、有機合成の受託企業として2022年5月時点で20年以上の実績があります。合成ルートや反応条件の探索から、少量研究・中規模開発・大規模生産・精製まで、幅広い範囲で自社の事業をサポートしてもらえます。他社で研究開発・製造を行っていた製品についてもコマーシャル生産が可能です。
受託合成に対応する代表的な
化合物「有機化合物」と有機合成とは?