ライブラリー合成

目次

ライブラリー合成(コンビナトリアル合成)とは

コンビナトリアル合成とも呼ばれるライブラリー合成は、組み合わせにより多数の化合物群を一度に合成する手法です。一般的な合成では、AとBの材料を反応させ、1種類の合成物を得ます。

一方、ライブラリー合成では、n個のAとn個のBを同時に反応させ、一度にA1-nB1-n個の合成物を得ることが可能です。ライブラリー合成を行うと、短時間で類似化合物を複数種類得られます。ライブラリー合成の課題は、得られた化合物(混合物)の分離です。類似化合物は特性が似通っている場合が多く、細かく分離するためには、相応の技術が必要です。

近年、ライブラリー合成は、分子量500以下の非ペプチド系の低分子化合物に適応されています。

受託合成におけるライブラリー合成の例

受託合成におけるライブラリー合成の事例を紹介します。

ナード研究所

ナード研究所は、パラレル合成によりスピーディーにライブラリー合成を実施します。パラレル液相合成、固相合成、精製法の検討などを経てより良いライブラリー合成ルートを提案します。また、合成後の混合物は、液相分取装置、固相坦持試薬、MSトリガー分取システムになどで精製されます。さらに品質向上のため、品質分析も可能です。

神戸天然物化学

神戸天然物化学では、アミド化・アミノ化・鈴木カップリング・ウレア化・エーテル化などのライブラリー合成に対応します。液相パラレル合成と精製技術により、数mgから数十mgの範囲で合成物を作ります。

桑和貿易

桑和貿易は、ライフサイエンス事業を手がけています。同社のライブラリー合成実績の一例を、以下に示しました。

バイオロジカ

バイオロジカは独自のライブラリー合成技術により、多数のペプチドをライブラリー合成しています。精製丁寧で、純度98%までの範囲であれば、ペプチドの純度レベルを柔軟に替えられます。同社のライブラリー合成実績の一例を、以下に示しました。

東京化成工業

一般的には、ライブラリーの構築には固相合成が広く用いられています。一方、東京化成工業では、反応剤や反応後の処理を工夫することで、液相合成によるライブラリー合成を実現しました。液相合成ができると、利用できる反応の選択肢も広がります。

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