スポット合成

スポット合成とは

スポット合成は、単発で依頼される合成を指します。期間を決めて研究員や設備を確保する FTE(Full Time Equivalent)とは異なります。一度限りと思われる合成のために、費用を費やして設備や研究員を用意するのは現実的ではありません。コストパフォーマンスを考えるなら、スポット合成として他社に依頼したほうが経費を抑えられます

なお、公式サイトに記載がなくても、スポット合成に対応可能な企業は多いものです。ただし、受託可能な内容は企業ごとに大きく変わります。スポット合成に興味があれば、個別に問い合わせてみましょう。

受託合成サービスを選ぶ際は、まず自社がやりたいことに合致しているのかを確認!
受託合成の対応の幅が広い3社の特徴をまとめています。

スポット合成に対応している企業の例

スポット合成に対応している企業を一部紹介します。

林純薬工業

引用元:公式HP
https://www.hpc-j.co.jp/

林純薬工業は、電子材用や試薬化成品の分野に帯する知見と技術が充実しています。安定同位元素標識化合物など、医薬品の開発及び各種試験に必要な化合物のスポット合成が可能です。また、セレウス菌嘔吐毒(セレウリド)標準品など、天然物由来成分の合成・抽出・精製の実績もあります。

同社は、合成ルートが固定化された既知化合物であれば成功率96%以上を誇り、新規化合物についてもスポット合成を受託可能です。また、100mg以下の小スケールの合成も依頼できます。

住化テクノサービス

引用元:公式HP
https://www.sc-sts.co.jp/

住化テクノサービスは、医薬・農薬・工業薬品などの試験研究用サンプルのスポット合成を請け負います。スポット合成を依頼する際は、目的化合物の構造 (名称、CAS No.でも可)・量・品質・納期・合成実績の有無などを連絡しましょう。2週間以内に見積もりを回答し、契約の合意に至りしだい、合成に着手します。なお、課題の内容によってはFTEも可能です。

過去のスポット合成の事例には、クロスカップリング、グリニャール反応、縮合反応、ペプチド合成などがあります。

新成化学

引用元:公式HP
https://schem.jp/

新成化学は、スポット合成に積極的に対応する企業として知られています。有機合成受託・特注合成が得意で、他社では失敗した合成も実現できる可能性があります。2022年5月現在、同社の受託有機合成の歴史は35年に達しました。

同社は成功報酬制度を採用しています。また、途中で原料の追加購入、合成ルートの変更が必要担った場合も、追加費用の請求はありません。なお、同社のスポット合成は、小スケールに限ります。特に初回は10mg以下での対応となる点を理解しておきましょう。

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