精製

目次

化学物質における精製とは

化学物質における精製とは、最終的に手に入れたい物質の分離を繰り返し、純度を高める作業を指します。合成した化学物質には不純物や未反応物が含まれるため、そのままでは使えません。

化学物質の精製では、「目的の物質」と「分離したい物質」の特性差を利用します。たとえば、「再結晶」という精製手法では、溶解度の違いによって精製を行います。「昇華」では、昇華性物質と昇華性のない物質を分離します。

ほかにも精製方法には、蒸留・クロマトグラフィー・抽出・吸着・膜分離・ろ過・沈降分離・乾燥などが挙げられます。なお、目的の物質と分離したい物質について、両方の特性がわからなければ精製は困難です。

受託合成における精製の例

ラボで目的の化学物質を合成できても、精製が課題となって実用化に踏み切れない場合も多いかもしれません。以下では、受託合成における精製の事例を紹介します。合成と精製を依頼し、効率よく目的の物質を作製しましょう。

分離精製

有機化学品の研究・開発・生産を手がける神戸天然物化学は、化学合成品の高純度化、光学分割、微量夾雑物の単離分離精製、微生物等の培養液や菌体からの抽出分離精製などを実施してきました。同社では、実験室のスケールから工場生産のスケールまで分離精製が可能です。

カラムクロマト精製装置については、分取用HPLC・大量分取用HPLC・大量分取カラムクロマトなどがあります。ほかにも、以下の分離精製装置を利用できます。

昇華精製

ナード研究所では自社昇華精製装置を使用した昇華精製が可能です。同社は2002年に精製受託サービスを始めました。2022年5月時点で20年の実績を誇り、サンプルの精製経験は500以上です。

精製はクリーンルーム内で行われ、不純物が入りこまないよう配慮されています。また、過去には純度99.9%以上の高純度有機半導体を製造した実績があります。

タンパク質受託精製

バイオ関連や実験用試薬関連などに携わる薬研社では、ペプチドやタンパク質の受託精製をクロマトグラフィーにて実施します。アフィニティカラム(Niキレート・グルタチオン・プロテインA)、イオン交換カラム、ゲルろ過カラムなど、精製する対象に応じて適したカラムを選択します。

受託合成のサービス内容について、こちらもチェック