合成ルート・合成プロセスの最適化は、量産化にあたって極めて重要です。適正な合成ルートでなければ、収量が低下し、精製に時間がかかります。また、必要な物量を確保するためには、何度も合成を繰り返さねばなりません。原料の確保や装置の稼働にかかるコストも心配です。
合成ルートを最適化すると、合成条件が柔軟になり、スケールを大きくしても再現性が得られるようになります。合成ルートを最適化するためには、合成時の触媒や溶媒のpH、反応時間や温度などから、量産可能な条件を導き出しましょう。
量産可能な合成ルートかを判断する際には、以下のポイントに着目してください。
ラボスケールで優れた性能を持つ物質を作れても、量産化に難航する企業は少なくありません。受託合成では、合成ルートやプロセスの最適化から任せられる場合があります。最適化を依頼し、量産化を目指しましょう。以下では、合成ルートやプロセスの最適化に対応している企業を紹介します。
富士フイルム和光純薬は、富士フイルムグループの幅広い事業で培われた高機能材料に関する多くの知見をもっています。合成ルートの最適化では、スケールアップや製造コスト削減、環境に配慮した合成ルートの確率などを行います。
同社は、フィルム材料について、溶媒の比率・温度・撹拌条件などを変えながら晶析プロセスのリードタイム短縮に成功しました。同時に、環境に優しい合成ルートも確立しています。
東京化成工業は、化学・ライフサイエンス関連など幅広く試薬事業を展開しています。合成ルートの最適化では、化合物の精製による収率アップ・スケールアップ・金属の低減・低水分化などが可能です。
また、 non-GMPからの合成ルート最適化も可能です。同社では、GMP製造に向け工程を種々検討し、より良い合成ルートを提案します。
医薬品や有機EL材料、有機半導体など、ナード研究所は幅広い分野に明るい企業です。合成ルートの最適化では、ラボスケールの合成ルートをもとに、収率の改善・コストダウン・生産性の向上・スケールアップなどを実現して量産可能なルートを検討します。
また、同社では原料やプロセス由来の不純物を調査し、収率向上に役立てます。
受託合成に対応する代表的な
化合物「有機化合物」と有機合成とは?